自動運転の社会実装を加速させるティアフォーのWeb.Auto

マイクロソフト・アマゾン出身のエンジニアを迎え、グローバル展開へ ソフトウェアエンジニアの採用を強化

プライベートな空間を確保できる自動車。読書・ネット・ゲームなどができる公共交通機関。それぞれのメリットを兼ね備える技術が「自動運転」です。

⾃動運転には、⼈々の感情、⽣活や文化を⼀変させる⼒があります。テクノロジーで新しい価値を創造し、⼈々と社会の可能性を拡げる。そして、より良い⽇常を実現するのに⽋かせないインフラとなります。

自動運転システム用オープンソースソフトウェア「Autoware」の開発をリードするティアフォーにおいて、自動運転システムの導入・運用・開発のすべてをサポートする役割を担うのが「Web.Auto」です。自動運転の社会実装を加速させていくSaaS(Software as a Service)サービスを提供。その対象は、車両を構築する技術者、ソフトウェア開発者、運行管理オペレーター、自動運転車のユーザーなど多岐にわたります。

国内およびグローバルへの展開フェーズに入り、2022年5月、マイクロソフト、アマゾンでソフトウェアエンジニアとして経験を積んできた高島芳仁を迎えました。

今後、ソフトウェアエンジニア採用を強化し、成長にドライブをかけていきます。

高島と、ここまでWeb.Auto事業をけん引してきたメンバーの1人・関谷英爾に、今後の取り組みと将来展望、ティアフォーで働く面白さについて聞きました。

(写真左が関谷、右が高島 — 品川オフィス リフレッシュルームにて)



世界各国との商談・デモンストレーションが増加



Eiji Sekiya | Architect

―― 「Web.Auto」の現在の状況、これからの取り組みとは?

関谷 現在の状況でいうと、自動運転車両の運行管理システムは、社内プロジェクトでは当たり前のように使われていて、何社かのお客様にもすでに活用いただいています。

一例を挙げると、ヤマハ発動機と当社のジョイントベンチャーとして自動搬送サービスを手がける「eve autonomy(イヴ オートノミー)」とその取引先企業のほか、MaaS(Mobility as a Service)系サービス企業など。

また、北米・欧州・中国などさまざまな国から問い合わせが入っており、海外顧客との商談・デモンストレーションの頻度も高まっている状況です。

基本的な機能は揃いつつあるので、今後は機能強化および、SaaSの顧客拡大に向けてサービスのきめ細やかさを追求していきます。

そして、重要なミッションがグローバル展開。その推進をリードしていただくため、高島さんをお迎えしました。




Yoshihito Takashima | VP of Software


―― 高島さん、これまでの経歴とティアフォー入社の経緯をお聞かせください。

高島 大学2年目からアメリカに留学し、大学・大学院で数学とコンピュータサイエンスを専攻しました。現地のマイクロソフトに入社し、シアトルとカナダのバンクーバーでソフトウェアエンジニアとして約13年勤務。アマゾンに転職してシアトルで2年間エンジニアとして働いた後、帰国してアマゾンジャパンでマネジャーを務めていました。

ティアフォー創業者兼CTOの加藤さんとは、大学時代にプログラマーのアルバイトを通じて知り合い、私がアメリカに行った後もSNSでつながっていたんです。Facebook上で彼の活動を見て「面白いことやっているな」と思っていました。

帰国後、加藤さんに会ったとき、「Web.Auto」とその海外展開のビジョンを聞き、「自分にできることがありそうだ」と。入社の誘いを受けることにしました。


グローバルで通用するクラウドサービスを日本から

―― ティアフォーのどんなところに魅力を感じて入社を決意されたのですか。

高島 もともと加藤さんの技術力や知性に信頼を置いていたのに加え、日本のスタートアップとして稀有な存在だと思いました。2015年に数名で設立して、すでに数百億円の資金調達と従業員300人規模への拡大を実現している。けれどまだまだビジネスプランが固まっていない部分もあり、このリソースを活用して「これから作っていける」面白さを感じました。

それに、日本はかつては家電・AV機器分野で海外から評価を得ましたが、ソフトウェアではゲーム分野を除いて世界に通用するものがほとんどない。GAFAに太刀打ちができない。

それが、海外で働く日本人ソフトウェアエンジニアとしてもどかしさを感じるところでした。

けれど、ティアフォーならそんな現状を変えられる可能性があります。日本発・世界にインパクトを与えるサービスを打ち出していける――これは千載一遇のチャンスだと思ったんです。

日本で開発をしていると、優れたサービスであっても日本で完結してしまい、海外にうまくアピールできていないケースが多いと思います。だから、海外で長く働いた私の経験を活かし、ティアフォーと世界をつなぐ役割を担っていきます。



―― 実際にティアフォーに入社してみて、風土や環境をどう感じていますか。

高島 日本企業で働くのは初めての経験ですが、日本人社員というのは「遠慮して言わない」ということもあったりするのかな……というイメージを抱いていました。けれど、入社したばかりの私に対しても、意見をちゃんと言ってくれる。思いのほか「やりやすい」と感じましたね。

関谷 もともと意見交換は活発な風土ですからね、全社的に。

高島 それにCTOと現場で手を動かす開発者の距離が近い。そうしたフラットな組織形態は、運営面で難しい部分がありつつも、強みの一つだと思います。

私は2社・3カ国での勤務を通じ、さまざまなやり方を経験してきました。各組織の長所・短所、ティアフォーの長所・短所をすり合わせ、それぞれの「いいとこ取り」をする形で組織体制やオペレーションの改善にも取り組んでいきます。規模が拡大していく中でも、組織としてさらにスピードを加速できるように。

関谷 会議でもチャットでの会話でも、すべてのコミュニケーションにおいて、高島さんは意思決定に結びつけていくスピードが速いですよね。貴重な学びになっています。

―― 当面の課題はサービスのブラッシュアップ、顧客開拓、海外展開とのことですが、中長期的にはどのようなビジョンを描いていますか?

関谷 自動運転の技術はソフトウェアドリブンになってきていて、コモディティ化が加速していくでしょう。そういった時代の変革期に、グローバルにもサービスを展開していくことで、自動運転のシステム・サービスを構築するリーディングカンパニー・リーディングプロジェクトでありたいと思います。自動車業界の人はごく当たり前に「Web.Auto」を使っている世界を実現したいですね。

高島 さまざまな企業との共創も進め、10年後20年後には、ティアフォーの名前が一般ユーザーにも知られているようになっていたい。一般の人が街でドライバーが乗っていない車が走っているのを見たとき「ティアフォーかな」と思ってもらえる地位に到達していたいです。

最先端のテーマ、立ち上げのプロセス、スケール感を楽しもう

―― その実現のためにも、ソフトウェアエンジニア採用に力を入れるのですね。ソフトウェアエンジニアにとってティアフォーで働く魅力とは何だと思いますか?

関谷 技術的な課題においては、かなりチャレンジングなテーマが揃っています。

コンピュータサイエンスのバックグラウンドがあり、最先端技術をキャッチアップしていきたい人、指示されて動くのではなく主体的に提案したい人、「立ち上げ」のプロセスに面白みを感じる人にとっては、魅力的な環境だと思います。

高島 確かに、プロセスが出来上がっているWeb系のメガベンチャーから「立ち上げフェーズを経験したい」と転職してくる人もいますね。

関谷 また、IoTのPoCなどの研究開発を手がける企業は多いんですが、「製品化」に対して本腰を入れて取り組めている企業は少ない。PoCをやっていて、「クラウド技術を絡めたプロダクト開発をしたい」と入社したメンバーもいます。

高島 グローバル展開を進めていく過程では、他にはないスケール感も味わえるでしょう。北米・欧州・中国など各国に応じた開発や運用においては、プロセスを考えるにしろデザインにしろスケールが大きくなってきますから。

関谷 海外ではすでにティアフォーの自動運転用オープンソースのコミュニティが形成されています。「Web.Auto」もそこにつながっていくことで、コミュニティをうまく活用したプロダクト作りにも取り組んでいけます。これは日本にはあまりない環境だと思います。

また、僕自身、約4年前にティアフォーに入社したんですが、その理由の一つが「エンジニアとして組み込みシステムからクラウドまで、多様なテクノロジーに触れる機会があること」でした。スタートアップだからこそ、クラウドだけでなくハードウェアに近い位置にいられるのも、面白みの一つだと思います。



―― 関谷さん、高島さんご自身がティアフォーでの取り組みに感じているやりがい、価値を教えてください。

関谷 やはり、自動運転社会を実現することで、自由に使える時間が増えたり生産性が上がったり、あるいは交通が不便な地域に住む人々の生活の助けになったりと、社会課題の改善に貢献できるところ。エンジニアとしては、先ほどからお話ししているとおり、そうした価値を創造するプロダクト、世界に普及するサービスを創っていけるところです。このエキサイティングなフェーズを楽しみたいと思います。

高島 まさに関谷さんが語ったとおりですね。自動運転は、まだ勝者が決まっていない新しい分野。パラダイムシフトの渦中で、新しいジャンル・新しい価値を生み出していけるのは面白いし、ワクワクしています。

先日は「AWS Japan Summit」の基調講演にCTOの加藤が登壇しました。スタートアップ企業が基調講演を依頼されることはあまり前例がないそうで、それだけ注目され、存在感を強めているといえるでしょう。

2022年7月のプレスリリースでも伝えているとおり、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)において、ティアフォーは「グリーンイノベーション基金事業(GI基金)」の自動運転ソフトウェアに関する研究開発項目に採択されました。GI基金の事業規模は2030年度までの9年間で254億円を予定しています。

また、既存株主であるSOMPOホールディングス・ヤマハ発動機に、新たにブリヂストンを加えた3社を引受先としたシリーズBラウンドにおいて、第三者割当増資による121億円の資金調達を実施。これにより、ティアフォー創業以来の累計資金調達額は296億円に達しています。

こうした流れも活かし、新たな仲間と共に、新たなチャレンジをしていけるのを楽しみにしています。ティアフォーでは、「自動運転の民主化」というビジョンに共感を持ち、自らそれを実現する意欲に満ち溢れた新しい仲間を募集しています。

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