FMS/Drive/Maps エンジニア座談会

連載企画「TIER IV PEOPLE」は、志をともにする個性豊かで魅力的なメンバー一人ひとりに焦点を当てて紹介します。

今回は、FMS/Drive/Mapsチームのメンバーがチームの役割やチームで挑戦していること、ティアフォーで働くことの魅力について語りました。

2019年6月入社。東京農工大学大学院 機械システム工学専攻修了。前職では旅行会社の検索システムの開発・運用に従事。現在は自動運転向け地図の編集や管理ツールの開発を担当。車が好きで、休日はドライブやスポーツ観戦を楽しむ。

2019年5月入社。早稲田大学大学院 基幹理工学研究科修了。前職ではセキュリティエンジニアとして、社内サービスの脆弱性診断や社内セキュリティの向上に関わる業務に従事。現在は遠隔監視システムのバックエンド開発を担当。趣味はモバイルゲームと旅行で、最近は健康を気遣いジムにも通う。

2021年5月入社。大阪大学大学院 情報科学研究科 博士課程修了。前職ではメーカーでネットワークやエッジコンピューティング分野の研究開発に従事。現在は運行管理システムのバックエンド開発を担当。2024年に東京から大阪に引っ越し、収集したお酒を置く棚を探し中。

— これまでの経歴とティアフォーに入ったきっかけを教えてください。

浦本(Mapsチーム):前職では不動産や旅行関連の検索システムの開発をしていました。フロントエンドからバックエンド、要件定義から運用保守まで幅広く担当していました。機械科出身なので実際に動くものの開発に携わりたいという思いを持っていた中でティアフォーに出会い、他にはない新しい技術に挑戦している点にも惹かれ入社しました。もともと車が好きで、自動運転にも興味があったことも大きな理由です。

笹生(Driveチーム):前職ではモバイルゲーム会社でセキュリティエンジニアとして、社内のサービスの脆弱性診断やセキュリティの向上に取り組んでいました。前職の同僚がティアフォーに転職し、声をかけられたのがきっかけです。もともと先進的な技術開発や研究が好きで、自動運転の技術にも興味がありました。先端技術への興味と挑戦の機会に魅力を感じて入社しました。

中田(FMSチーム):私はFleet Management System(FMS)という車両管理システムのバックエンド開発を担っています。前職ではメーカーにてネットワークやエッジコンピューティング分野の研究開発に長く携わり、これまで得た知見を実践に活かしたいと考えるようになりました。ティアフォーの運行管理システムはエッジとクラウドが連携したシステムなので、きっと力になれると思いました。ティアフォーのシステムに必要なエッジコンピューティングは、現場情報の可視化だけでなく、クラウドから車両への命令、双方向通信、リアルタイム性、可用性などが求められ、複雑で困難なものですが、だからこそ面白そうだと感じました。

— チームの業務内容と社内での役割は?

中田:FMSチームはその名の通り、FMSという運行管理システムの開発を担当しています。具体的には、車両や走行スケジュール、使用する地図の管理をしています。例えば、車両の現在地やバッテリー残量といった情報を見ることができ、タクシーの配車アプリのように、自動運転車両に行き先を指示することもできます。

実証実験や実運用サービスから出てきた課題に対して、新機能の設計開発をすることが主な役割です。FMSは自動運転用のオープンソースソフトウェア「Autoware」やクラウドベースの開発運用プラットフォーム「Web.Auto」の機能に依存する部分が大きいので、チームを超えた仕様の策定や議論を活発に行っています。

浦本:Mapsチームは、地図の作成・編集・管理を行うサービスの開発を行っています。「Vector Map Builder」という地図作成・編集アプリや、中田さんが担当しているFMSのバックエンドに含まれる地図の管理部分など、地図に関連するウェブサービス全般を担当しています。

Autowareで使われる地図には、自己位置推定のための点群データ(Point Cloud Data:PCD)によるPCDマップと、その地図上の走行可能領域や信号・標識などを定義したベクターマップがあります。私たちのチームは、その両方を扱っています。

笹生:Driveチームは、遠隔監視システムを担当しています。車両に搭載されたカメラからの映像を遠隔監視室で確認し、運行に問題がないか確認するサービスを提供しています。車両上から映像を送信するためのソフトウェアはオープンソースソフトウェアをベースに開発していて、送信された映像を配信するサーバーの運用や、それらの映像をブラウザ上で見ることができるアプリの開発もしています。

— 遠隔監視室はどこに設置されるのですか?

笹生:プロジェクトによりますが、例えば2023年に実施された成田空港のプロジェクトでは、遠隔監視室が空港内にあり、担当者が運行を確認しています。監視画面から緊急停止、命令、通話などをすることが可能です。今は実験段階なので車両に人が乗っていますが、将来は遠隔監視者が無人の車両を映像で確認する想定です。

— リモートワークが中心のチームでのコミュニケーション方法は?

中田: 基本的にSlackでやり取りをしています。チームはオープンに議論できる環境だと思います。FMS/Maps/Driveの3チームで毎日15分の朝会で前日に行った業務とその日の予定を共有しています。朝会の後に適宜関係者で集まって打ち合わせをすることもあります。

浦本: Mapsチームは先ほどの朝会とは別に、チーム定例会を週に2回やっており、そこでは雑談も含め、あらゆることを話し合っています。チームの人数が少ないということもあり、コミュニケーションはしっかりと取れています。メンバーも日ごろから改善点や気づいたことを積極的に共有してくれるので、議論が活発に行われ、開発に活かされています。

これはティアフォー全体に言えることですが、全員が自分の仕事に対してオーナーシップを持っています。主体性を持ち、自分で業務を進めていけるメンバーだからこそ、様々な提案が出てくるのだと思います。

笹生: Driveチームも経歴が異なるメンバーが集まっています。私はウェブ系企業のバックエンド寄りのセキュリティエンジニアでしたが、大学で通信を専門に研究されていた方やメディア系企業で映像や音声を専門にされていた方もいます。

それぞれ経歴が異なるメンバーが同じ課題に取り組む中、様々な視点で意見をもらえ、深い議論ができています。ミーティングはそこまで多くありませんが、長い時間とことん議論することも多いです。

— 仕事の面白い点ややりがいは?

浦本: 地図は現在の「Autoware」に欠かせないものです。私たちが作っているサービスを使って、多くの人が開発をし、自動運転をしていることに意義を感じます。実際に自分が編集に関わった地図を使って車両が走っているところを見ると、役に立っていると実感を得ることができますし、製品に愛着もわきます。

Vector Map Builderで作成した地図

笹生:複数の組織と取り組むチャレンジングな課題が多い中、チームで試行錯誤しながら取り組んだ映像配信の機能を実際に車両に載せて走らせることができる点が面白いです。自分が開発した製品が自動運転に役立ち、技術的な成長に貢献していることにやりがいを感じます。

中田:「Autoware」やFMSなど、自動運転で使われるシステムは複雑な技術で成り立っていますが、自動運転車両自体は乗客や利用者から見るとイメージしやすいです。家族や身近な人たちに自分が取り組んでいることが伝わりやすい、未来を感じてもらえる、そんな製品やサービスに携われていることが魅力であり楽しいところです。

また、自動運転が国や国民から大きな注目を集めていることもあり、ティアフォーがメディアに取り上げられる機会が増えています。テレビやYouTubeで自分が関与した製品が紹介されるのは嬉しいです。

— チームの課題や挑戦は?

浦本:最近では走行領域がどんどん広がり、地図が大きくなっています。地図の作成や編集、アップロードから走行までの管理、検査、安全性を高めるシステム作りなどの工程を地図の拡大に対応させることが課題です。これには、細かい操作性の改善や地図を半分自動で作るシステムの導入など、小さなものから大きなものまで含まれます。今後も地図は大きくなるので、ずっと挑戦は続くと思います。

また、地図に変更のあった部分を検知できるようにすることも大事です。車両が走行する中で「Autoware」が変化を検知し、ウェブにあげて自動的に更新するような仕組みも必要になってくると思います。

笹生:道路交通法などが定める遠隔監視の要件に対応していくことが必要なのと、利用者の増加に伴い、遠隔監視システムへのリクエストが増え、負荷に対応していくのが課題です。また、安定して映像配信のソフトウェアを動かせるような仕組みや、アップデートしていける仕組みを用意し、車両の遠隔監視に必要なことに幅広く対応していく必要があります。

あとはローカル5Gなどの通信と合わせて実証実験を行っていますが、通信品質と映像品質を測定し、遠隔監視に最適な映像配信ができるようにチューニングをしており、この辺りは技術的にも難しく、挑戦が伴う点です。

中田:FMSチームでも、ティアフォーの事業拡大に対応していくことが挑戦を要する点です。利用者や顧客が増えるほど、システムは停止できなくなります。また、夜中や海外で使いたいとなると、24時間365日稼働させないといけなくなります。信頼性に関わる要件の高まりに対して、FMSもシステムもリアーキテクチャすることで信頼性を高めていくことが現在の課題だと思います。

現在、FMSは2週間に1回リリースを行っています。以前はリリースをするタイミングにシステムが不安定になることがあり、利用者から常に稼働を安定させてほしいと要望がありました。そこで一昨年末ごろから、ダウンタイム無くリリースできるようにする取り組みが本格的に始まりました。FMSだけでなく、チーム横断でアーキテクチャの検討や、技術選定、リスク分析、試験など幅広く実施しました。かなり高度な技術を活用したので、その知見を勉強会などで共有しながら、事業やプロジェクトを進めることができたのはとても良い経験でした。

— FMS/Driveチームは新しいメンバーを募集中ですが、どのような方に来てほしいですか? また、チームの雰囲気は?

笹生:技術的な関心が強く、主体的にプロジェクトを進めていける方に来てほしいです。現在、映像専門の方、Webシステムのフロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアを募集中です。専門性のある方やストリーミングや3Dなどに興味のある方は大歓迎です。

中田:FMSチームは中途採用が大半で、経歴も様々です。大企業のSIerから来た方もいるし、ウェブ系の方もいます。

チームの雰囲気は、チームリーダーが全て決めて作業を指示するというよりは、全員が製品がより良くなることを目指して、様々な視点からのフィードバックを基に、建設的な議論ができています。

エンジニアの界隈でよく言われる心理的安全性は、かなり高いと思います。発言しやすい雰囲気になるよう、みんながリスペクトを持って会話や受け答えをしています。議論の場であっても、とても居心地が良いと感じています。

— 今後自動運転業界はどうなっていくと思いますか?

中田:自動運転が身近になり、自動運転車両に乗る機会も増えていくと思います。そして、自動運転に対する不安感や恐怖感は徐々に減ってくる時期に差し掛かっていると思います。先日、家族と北陸へ旅行した際に、小松空港で自動運転バスを利用しました。自分以外の乗客もスマートフォンを見て、通常のバスと同じように乗っていました。現在、色々な場所で実証実験が行われており、知見が貯まっていると思うので、ここを乗り越えれば、公道の自動運転に一歩近づくのではないかと思います。高速道路トラックの自動運転など、まずは収益になりやすいようなユースケースができれば、今後もっと事例が増えていくのではないかと思います。

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チームの詳しい開発内容については、テックブログでも紹介しています。併せてぜひ御覧ください。

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ティアフォーでは、「自動運転の民主化」というビジョンに共感を持ち、自らそれを実現する意欲に満ち溢れた新しい仲間を募集しています。


今回のチームで募集中の職種

その他にも多くの職関連職種を採用をしています。詳細は、ティアフォーの「求人ページ」をご覧ください。


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